3月も1週間が過ぎました。
医療系の国家試験も一段落し、あとは結果を待つばかりといったところでしょうか。
私の所属する法人の学校も3年生が国家試験を受け、自己採点をして悲喜交々と言ったところです。
彼らは、国家試験に合格すれば年齢、キャリアに関係なく先生と呼ばれることになります。
医師のようにインターン制度はありませんから、直ぐに開業という道も開けるわけです。関係法規の改正で柔道整復師の場合は、管理者の資格を取らないといけなくなりましたが、鍼灸師の場合は、いまのところ直ぐにでも院長として開業できますね。
柔整師の場合は、接骨院、整骨院などという名称を使うことが多く、鍼灸師の場合は鍼灸院というケースが多いですね。
街中で、皆さんの目に付くのは、●●接骨院、○○鍼灸接骨院という名称が多く、なかなか△△鍼灸院という単独の治療院は見当たらないかもしれません。実際のところは、数的には変わらないくらいあるはずなんですね。
ただ、鍼灸単独であれば店舗面積がさほど広くなくても開業できるため、自宅で開業したり、マンションなどの集合住宅の1室でも開業できるので目に付き難いということもあります。
接骨院の場合、特に保険診療を行う場合は、患者さんが来易い、また目に付きやすい場所で開業するほうが有利になりますので、比較的人の行き来のある場所に開業していることが多いです。
新規開業の場合は、こうした場所選びから始まります。
業界的には、「店」と呼ばず「治療院」、「客」と呼ばず「患者」と呼ぶように心がけていますが、経営という観点から言えば「店舗」であり、「客」であり、そこにはマーケティングなど経営手法を取り入れる必要はあるのです。
開業時に、例えば既に自分の患者と呼べる人が沢山あっての独立であればともかく、他の治療院で修行していたときの患者さんが犬のように人について移動するわけでもありませんから、先ずは最初の集客からスタートですね。
この辺りの手法は、小規模な物販の店舗や、サービス業の店舗のオープン時と同じように、チラシ、DM,プレオープンイベントなどで集客し、顧客を得るという手法が王道でしょう。小規模店舗のマーケティング手法などが参考になります。
そして、前向きな経営努力の積み重ねでその場所での地位を確保するという道ですね。
開店時に集めた新規客の中から、リピータである顧客、お得意様に育てて行くのは、治療家としての腕であり、顧客満足度が高いか否かに係っている訳です。顧客のニーズ=患者の主訴を捉え、顧客満足=患者の主訴が消える、軽減するということが繰り返されればおのずとリピーターになり、広告塔にもなってくれるものです。
特に、地域のママ友ネットワーク、ババ友ネットワークは大事にしましょう。侮ると痛い目にあいますね。
もちろん、この顧客満足度というのは主訴の払拭だけでなく、いろいろな要素がありますが、それは個別に研究してくださいね。(ネタは一杯ありますよ。)
もう一つ、心がけなければいけないのは、まったく新規のお客さんをどう掘り起こすかということ。マーケティングでは潜在見込み客というような言い方をします。
既に、鍼灸や柔整を受けたことのある人は、他の人からこの治療院の良さを聞いたりすると比較的簡単に来店してくれるものです。このような見込み客は顕在見込み客と呼び、潜在見込み客と区別しておきます。
こうした顕在見込み客の場合は、折につけて開催するようなキャンペーンなどでも顧客となることは多いと思います。ただ、簡単に動く客は、簡単に離れるということを頭にいれ、真のリピーター、ファンとなってもらえるような努力はしてくださいね。
で、潜在見込み客を来店して貰うための努力もしていきましょう。
これは、いわば鍼灸、柔整の普及とでも言うべきものでしょう。鍼灸や柔整の施術をまだ、受けたことの無い人、存在さえ知らない人に、まずは鍼灸や柔整というものを知ってもらうこと。
これは、医療という分野だけでなく、スポーツ、美容、癒し、介護など様々な分野で取り入れられている鍼灸や柔整を知ってもらい、その魅力を知ってもらうことですね。
例えば、今でこそ小顔や、ダイエットなど美容鍼灸というジャンルが有名になっていますが、一般的に鍼でダイエットができるとか、小顔になれるといわれても誰も信用はしなかったものです。
地道に鍼の効能として、代謝改善を通して体型が改善されたという結果とか、説明がされ、信用するに値する人が実施するという積み重ねの中で、それまでまったく経験の無かった人も鍼灸院の門戸を叩くということになりました。
また、鍼、お灸はともかく、柔道整復となると、あん摩、マッサージ、整体、カイロプラクティックとの違いがわからず混同している人は多いですね。
ですから、地道な活動と情報発信はしていきましょう。
地域のボランティアなどにも参加し、人となりを知ってもらい、ブログやFaceBook、リーフレットなどでお店の宣伝をするのでなく、地域の人や一般の人に有用な情報を発信することが、長い目で見ると潜在見込み客から新規の顧客に代っているということになるものです。
私たちが、ネットなどで情報を検索していて、信用できそうなサイトやブログに出会うと定期的に訪問するようになり、メールマガジンなども登録して読んだりするのと同じです。