テレビ番組で、ヒラメとマゴチをサーフから狙っている番組を見ることがあります。
「コチが釣れました!」と、巻き上げてくるのを見ていると殆どマゴチですが、たまに「アレッ!」って思うことがあります。
魚鯛をアップしてくれればわかるのですが、あの頭の形は「ワニゴチ」では?
マゴチの生息分布としては東北地方まで分布し太平洋側の分布が多いようで、ワニゴチは房総半島当たりまでの分布となっていますね。
ワニゴチの方が温かい海を好むようですね。
私がよく釣りに行く場所は、太平洋から瀬戸内海への入り口あたりが多く、暖流が入ってくる場所でもありますから、海の中はいろいろ変化しているようです。
このワニゴチとマゴチ、釣人や漁船の船長でも混同している人もいらっしゃるようで、両方を指してコチが釣れたとHPにアップされている場合もありますね。
確かにコチに間違いはないと思います(^^;。
どちらも漁獲量は少ないようで、一般の魚屋さんはもちろん、卸し市場でも見かける量は少ないようです。
関西ではサーフでこちを狙う人は殆どいません。
コチを専門で狙う遊魚船も私の知る限りではありませんから、釣れるとすると船釣りで、他の魚種を狙うときの外道となります。
写真は、今年の夏に釣ったもので一番の大物。60cm以上ありました。
タイラバで底取りをして巻上げた瞬間に食いついてきたり、イワシや小鯵を餌に青物やヒラメを狙っているときにも食いついてきます。
これは、娘が取った写真です。まさか海の中でこんなことは起きないとは思いますが、、、、
確かに釣れる数は暖かいときの方が多いようにも感じますが、ヒラメやブリを狙う11月以降も結構釣れます。
先日も青物狙いに出かけた釣友が、ブリも釣れたけど、コチも6尾ほど釣れたと報告して来ました。聞けば全てワニゴチだったそうです。
マゴチも、ワニゴチも非常においしい魚ですが、流通している量が少ないため、料亭、料理屋などでしか口に入らないようです。
おかげさまで私達釣人は、狙ったわけではないにしろ貴重なゲストとして持ち帰り楽しめるわけです。
ただ、素人には捌くのが非常に難しく手間がかかる魚なので、持ち帰るのを躊躇する釣人も多いです。
私は、「釣った魚は食べる」をモットーとしていますので、持ち帰り魚料理の本や魚料理のDVDを見ながら何とか捌けるようになりました。
刺し身、鍋料理、唐揚どれも非常においしいのですが、処理がラクなのはぶつ切りにして、鍋に入れて食べることですね。
マゴチ、ヒラメなどの底にいるフィッシュイーターはアラからおいしい出汁がとれることは有名です。
頭の部分には身はほとんどありませんが、梨割りした頭と昆布から出汁をとり、潮汁、味噌汁にすると絶品です。
我が家では、コチの身を鍋に入れるときは、この頭でとった出汁を使います。
最後に雑炊や、うどんを食べるときの至福感は、口では表現できないくらいです。
鍋で食べるコチの身は、歯ごたえもあり、テッチリのおいしさに匹敵すると思います。
釣れたら是非試してみてください。
料理屋などでは刺し身、洗いで出されることが多いです。薄作りをお皿に飾った様子をネットなどでも見かけますね。これもテッサに匹敵するといわれています。特にコチの旬の夏はおいしく、フグが食べれない時期でもありますから、よろこばれるようです。
これを、自宅でするとなるとちょっと手間がかかります。
頭を落とし、内蔵を取り、中骨に沿って3枚に卸すところまでは、私ももう何も見ないでもできます。
ここから、骨抜きです。
コチの腹骨は2本の骨が助け合うように湾曲してついており、他の魚のように簡単には抜けません。
忘年会準備のところでも書いたように、毛抜きのようなものの大きなもので、根気良く抜くことが必要です。
また、釣ったその日に骨抜きを試みると身が活かっており骨だけ抜くなんていうことはできません。
力任せに引っ張ると、骨が折れるか、身も一緒に剥がれてボロボロになってしまいます。
ですから、半日から1日身を休ませて落着かせての作業になります。
写真のような綺麗な薄造りを作るなんて夢のまた夢。
骨の無い肛門より下の身で、薄造りを楽しむのがやっとです。